とっぽい男の愚かなるひとりごと

一昨日、親友のＭ島クンから電話があった。

「明日休みだで今夜飲みに行くまいっ！」えらい鼻息が荒かった。

「何だん、珍しいじゃん、Ｍ島から誘ってくれるなんて。何かあった？」

「あとでアソコに行くだで、景気づけだ。あんたも一緒に行くまいよ。」

「いいけど、まずはどこに行くだん？」

「あんたんとこのとなりのコッコ亭でいいじゃん。近いし。」



と言う訳で店を閉めて１分後には生ビールで乾杯していた。

同い年のＭ島クンは魚町にあるＭタカ百貨店という会社の社長だ。

ジャイアンツファンの彼は巨人のリーグ優勝を喜びつつも

商売の大変さを嘆いていた。それは僕も同じだ。

思うように売上ができない憂鬱さを、ビールの泡とともにイッキに飲み干し僕たちは

「そろそろアソコ行くまいっ！」鼻息の荒いＭ島クンの声を機にコッコ亭を後にした。

アソコとは僕たちが時々行くスナック「桜」のことで

シルバーウイークを利用して店を少し改装していたのだが

週が明けてリニューアルオープンしていたのだ。

「お楽しみがあるからリニューアルしたら来てね。」と

Ｍ島のケータイにママのＫ代ちゃんからメールが来ていたらしい。

店はトイレ回りがすごくキレイに改装されていた。

オリジナル焼酎｢桜」をちびちびやりながら

目尻を下げ、鼻の下を伸ばした中年おじさんの夜はゆっくりと更けてゆくのだ。