2012年11月30日

幸せの黄金鯛焼き なのに・・・

以前、ウチの店で働いてくれていた人がフラリとやって来た。

今は例の某ゼリーメーカーで働くアノ人だ。

手には紙袋が・・・

「おっ!今日も差し入れですか」\(^o^)/

「差し入れは差し入れだけどゼリーじゃないよ。」

 幸せの黄金鯛焼き なのに・・・

幸せの黄金鯛焼き と書いてある。

しかも神戸発だ。

彼女の自宅の近くにオープンしたばかりらしい。

アンコはもちろん、チョコやカスタードやイチゴミルクや青リンゴなどの味がある。

それらの全てにふかした安納芋のカケラが入っているのだ。

早速ひとつ頂く。

ボクは頭からガブリと食べる。

彼女は「普通、鯛焼きってシッポから食べるでしょう?」

ボクは異常なのだろうか?

アンコとお芋と青リンゴのコラボはビミョーだった。


「ところで入院してた彼氏の具合はどうなの?」

ボクは何気なしに聞いた。

すると彼女は一瞬目を伏せ

「10月6日に亡くなって、四十九日法要が終わったばかりなのよ。」

ボクはアンコとお芋と青リンゴを吐き出しそうになった。

末期の肺がんだったのだ。

ボクより確かふたつ下の52歳だったはずだ。

彼女との結婚に踏み切れなかったのは

すでに死を覚悟していたからだろう。

2ヵ月たってようやく平静を取り戻しつつあるが

彼女もそうとう悲しんだにちがいない。

「8キロぐらいやせちゃった」

笑いながら言うけど切なさは隠しきれない。

ボクは心から冥福を祈った。

幸せの黄金鯛焼き の文字が 悲しかった。



Posted by 周ちゃん at 17:14│Comments(0)
 
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